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オイントメントointmentって何?【薬剤師が解説】

クリーム・オイントメント・ローションのアメリカでの違い

【クリーム(Cream) /オイントメント(Ointment) /ローション(Lotion)】

アメリカで塗り薬を買おうとした際、これらの用語を目にしたことがある方も多いはず。

なんとなく想像できるけど、その違いを明確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、アメリカの市販薬や保湿剤で目にする3つのタイプについて、

その違いを薬剤師が分かりやすく解説します。

【本記事で解説する用語】
オイントメント(軟膏);Ointment
クリーム;Cream
ローション;Lotion

当サイトに掲載されている情報については、薬剤師の資格を持った管理者により運営されております。当サイトに記事を掲載するにあたって、不適切な表記がないか、細心の注意を払って確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。あくまで、読者皆様ご自身のご判断にてお読み頂き、ご参考にして頂ければと存じます。
免責事項及び健康についての注意事項はこちらをご覧ください。

目次

塗り薬の成り立ち

薬剤師ママ

まずは塗り薬(外用薬)の成り立ちを確認しておきましょう

一般的に塗り薬は基剤主薬が混ざって出来ています。

主薬;お薬として効果が期待される成分 

基剤;主薬を皮膚に届けるのを助ける役割

(※ただし、保湿剤の商品などの場合、主薬が含まれないこともあります)

それぞれの基剤には特徴があり、適する皮膚症状や部位が変わってきます。

オイントメント、クリーム、ローション:違いをまとめると

ずばり、水分量や基剤の種類が異なります!

概要比較

【油】:脂溶性の高い基剤のこと (例)白色ワセリン

【水】:親水性が高く、水と混ざりやすい性質を持つ基剤のこと(例)水やグリセリン

薬剤師ママ

それに伴い、使用に適した部位や刺激性が変わってきます。
特徴を解説していきますね。

オイントメント(軟膏);Ointment

軟膏は一般的に油性成分でできた基剤(白色ワセリンなど)をベースにしています。

【使用感】

  • 塗った後、ベタつきを感じやすく、テカリを感じやすい
  • その反面、肌の上にぶ厚いバリアや保護膜を形成
  • クリームやローションと比べて皮膚への刺激性が少ないのも特徴

【使用に適した部位】

  • 傷やじゅくじゅくしたところにも塗ることができる商品もあり
  • 固いテクスチャーのため部分的な使用に適している
  • 軟膏は、乾燥したかかとや乾癬のパッチなど、皮膚の非常に乾燥した部分やひび割れた部分に有効

【アメリカの商品例】

  • Aquaphor Healing Ointment
  • Vaseline Healing Jelly Original
  • Vanicream Moisturizing Ointment
  • CeraVe Healing Ointment
  • Vaseline Lip Therapy
  • Neosporin Lip Health Overnight Renewal Therapy
  • OTC外用薬として販売されているステロイドや抗生物質の多く

クリーム;Cream

クリームは水と油を界面活性剤で混ぜた基剤をベースにしています。

【使用感】

  • 軟膏と比べると伸びがよく、べたつきは少ない
  • 水で洗い流されるものが多いのが特徴

【使用に適した部位】

  • クリームは水分を含んでいるため、広範囲に使用するのに適している
  • 皮膚への刺激性があるので、傷やじゅくじゅくしたところに塗ることは避ける

【アメリカの商品例】

  • Wederm Restorative Lipid Replenishing Cream 
  • Olay Regenerist Ultra Rich Moisturizer
  • Eucerin Original Healing Cream
  • CeraVe Moisturizing Cream
  • Eucerin Advanced Repair Hand Cream

ローション;Lotion

ローションはクリームと同様に、一般的には水と油を界面活性剤で混ぜた基剤をベースにしています。
より水分(または親水性の成分)を多く含むのが特徴です。
主薬が角質層に移行しやすく、即効性に優れます。

クリームとローションの見分け方の1つとして、ラベルに「Oil-free」「Lightweight」と書かれているかどうかを確認しましょう。これは一般的に、ローションを指す言葉です。

【使用感】

  • さらっとしていて、冷却があるものが多い
  • 伸びがよく、水で洗い流せるものが多い

【使用に適した部位】

  • クリームや軟膏が塗りずらい部位への塗布に優れている
  • 皮膚への刺激性があるので、傷やじゅくじゅくしたところに塗ることは避ける

【アメリカの商品例】

  • Elta MD UV Clear with Broad-Spectrum SPF 46
  • Elta MD UV Daily Broad-Spectrum SPF 40
  • Wederm 15% Glycolic Body Lotion 
  • Vanicream Moisturizing Lotion
  • Aveeno Daily Moisturizing Sheer Hydration Lotion
  • Eucerin Advanced Repair Lotion

最後に

乾燥のレベルや肌の状態、水分・油分の含有量によって合う商品は異なります。

塗り薬を選ぶ際に少しでも役立てていただけると幸いです。

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この記事を書いた人

日本では薬剤師として勤務。夫の仕事の都合で、2021年に渡米。現在は夫と息子の3人、ニューヨークで暮らす。
日米のお薬事情の違いを解説するブログメディア「くすらぼ」を運営中。そのほかにもNY生活で役立つ情報も同サイトで紹介。薬剤師×ママの目線で情報発信中。

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